中華民国留日東京華僑総会 主催 第一回 中華民国(台湾)&日本映画上映会 2022年1月21日~23日「塩月桃甫」上映会挙行

中華民国と日本、そして台湾と日本とは、多層的な歴史背景を有しています。それは日本統治時代の台湾、抗日戦争時の中華民国、そして戦後の中華民国(台湾)と…、どの時代にも日本との関係は深いものです。本上映会は、その深淵を「映画」という媒体を通して紐解くことを目的としています。

第一回は、日本統治時代に台湾で現代美術の道を拓いた画家・塩月桃甫を紹介したドキュメンタリー映画「塩月桃甫」を一般公開前に試写会として上映しました。監督は芸術作家である小松孝英氏です。

塩月桃甫(1886-1954宮崎県出身)は、戦前の日本統治時代の台湾に初めて西洋美術を普及させ台湾美術展覧会を創設し、台湾美術界に多大なる貢献をした画家でした。塩月桃甫ドキュメンタリー映画制作発案者のアーティスト小松孝英氏は、9年前より台湾の国際アートフェアに多数出品するなどしており、現地で塩月の名を聞く機会も多く、関係者からすすめられ関心を持ちました。そんなある時、宮崎県の骨董屋で塩月桃甫の描いた台湾原住民族(先住民)の油絵と出会います。しかし調べて行くうちに台湾での知名度、貢献度とは対照的に、日本でほとんど知られていないことに驚きます。そしてドキュメント映画の制作を始めました。

今回の上映会は「日本語字幕」と「中国語字幕」を各3回合計6回の上映としました。また小松孝英監督のご厚意で参加料無料にて実施できました。その小松孝英監督ですが、22日に宮崎から来ていただき上映会後にミニ講演をしていただきました。 小松監督は「多くのクリエーターの友人などのボランティアに支えられて完成した映画です。制作する中で私もいろいろなことを知りました。そうした日本と台湾との深いつながりについてより多くの方々に知っていただきたいと思います。今年台湾での上映会も開催したいと考えていますのでご協力をお願いいたします。またまだ知られていない台湾にゆかりのある宮崎出身の芸術家の人たちがいます。その人たちのドキュメント映画も制作したいですね。今後、華僑の方々と情報交換をしてご一緒させていただければ幸せです。」と語っていました。

ちなみに6回の上映会参加者は約80名でした。その内、東京華僑総会理監事以外の外部の方は約70名で、一般財団法人台湾協会の小椋和平理事長、東京台湾の会小川英郎会長などもご参加いただきました。また駐日台北経済文化代表処僑務組謝延淙組長は、21日、22日と二日間続けてご参加いただきました。

張君成会長(左)と小松孝英監督

映画チラシ

上映会にご参加いただいた方たち